リチウムイオン電池は、スマートフォンやパソコン、モバイルバッテリーなど、日常生活で欠かせない製品に広く使用されています。
しかし、このリチウムイオン電池を含む物品の国際配送には注意が必要です。
リチウムイオン電池に関連する国際配送の注意点や規制についてわかりやすく説明します。
リチウムイオン電池とは
リチウムイオン電池は、小型で軽量ながら高いエネルギー密度を持つ充電可能な電池です。
その特性から、スマホやノートパソコン、デジタルカメラ、さらには電動工具や電子タバコに至るまで、幅広い製品に使用されています。
しかし、その高エネルギー密度ゆえに、適切に扱わないと発火や爆発の危険性があります。
国際配送でのリチウムイオン電池の扱い
リチウムイオン電池はその性質上、多くの国際配送業者で厳格な規制が設けられています。以下は主な注意点です。
1. 単体のリチウムイオン電池の配送は不可
リチウムイオン電池単体(例:予備バッテリーや交換用バッテリー)は、多くの配送方法で輸送が禁止されています。
これは、単体で輸送すると、外部からの衝撃や接触により発火するリスクが高いためです。
2. 電子機器に組み込まれた電池は条件付きで配送可能
スマホやノートパソコンなど、電池が製品に内蔵されている場合、配送が許可されることがあります。
ただし、以下の条件を満たす必要があります:
- 電池が正しく組み込まれていること。
- 輸送中に電池が衝撃や圧力を受けないよう梱包されていること。
- 電池が未使用である、または十分な残量があること。
3. 梱包やラベル表示の規定
国際航空運送協会(IATA)や各国の航空規制により、リチウムイオン電池を含む荷物には特別な梱包が求められます。
加えて、以下のラベルが必要です:
- 「リチウム電池取り扱い注意」の表示。
- 輸送中に問題が発生した場合の連絡先情報。
リチウムイオン電池を含む物品の国際配送
リチウムイオン電池を含む物品の国際配送について、以下に種類ごとの詳細を説明します。
1. リチウム内蔵
例:ノートパソコン、スマートフォン(iPhone 、android、タブレットなど)
リチウムイオン電池が製品に内蔵されているものは、基本的にEMS、AIR、SAL、船便の日本郵便の配送方法で配送可能です。
ただし、配送先の国によって対応できる配送方法が異なる場合がありますので、事前の確認が必要です。
- 注意事項:リチウム内蔵品は1つの荷物に2点まで梱包可能です。3点以上を送る場合は、荷物を分けて発送する必要があります。
2. リチウム付属
例:デジタルカメラ(電池を取り付けた状態)
リチウムイオン電池が製品に付属しており、本体に差し込まれている場合、EMS、AIR、SAL、船便での配送が可能です。ただし、リチウム内蔵と同様に、配送先の国によって条件が異なる場合があります。
- 注意事項:リチウム付属品も1つの荷物に2点まで梱包可能です。それ以上を送る場合は、荷物を分割してください。
注意すべきポイント
- 配送国ごとの規制:リチウム内蔵や付属品であっても、配送可能な方法は国ごとに異なります。最新情報を確認のうえ、該当する条件に従って発送してください。
- 安全な梱包:製品が輸送中に損傷しないよう、緩衝材を使用して適切に梱包することが重要です。
- 点数制限:1つの荷物に内蔵または付属のリチウム電池を含む製品は2点までという制限があります。
リチウムイオン電池を含む物品の国際配送は、その形態によって配送可能かどうかが大きく異なります。
リチウム単体は配送が一切できないため、購入や発送には注意が必要です。
一方で、内蔵型や付属型の製品は国や配送方法によって条件付きで送ることが可能です。
配送前には、最新の規制を必ず確認し、安全な発送準備を行いましょう。
公式情報リンク:
日本郵便 国際郵便条件表
リチウム電池単体の発送
日本郵便が提供する配送方法(EMS・AIR・SAL・船便)では、リチウムイオン電池単体の輸送が一切できません。
たとえば、モバイルバッテリーや交換用バッテリーが含まれる場合、倉庫での廃棄や国内配送のみとなります。
例:モバイルバッテリー、交換用バッテリー、電子タバコ、充電機能付きワイヤレスイヤホンケース
リチウムイオン電池そのものを指します。これらは日本郵便の配送方法(EMS、AIR、SAL、船便)では全て配送不可です。
- 対応措置:リチウム単体の荷物が倉庫に届いた場合、廃棄または日本国内の住所への配送が行われます。ただし、初回利用時は差出元への返送対応となります。リチウム単体の商品購入時には特に注意してください。
DHLやFedExなどのクーリエの対応は?
リチウムイオン電池を含む製品の国際配送に関して、DHLやFedExなどのクーリエサービスは、各社のガイドラインと国際規制に基づいて対応しています。
DHLの対応
DHLでは、リチウムイオン電池を含む製品の輸送に際し、以下の点に留意する必要があります。
- リチウムイオン電池の種類:リチウムイオン電池は、航空危険物に分類されます。
- 梱包方法:電池が機器に組み込まれている場合、機器の電源がオフになっていることを確認し、十分な緩衝材で包み、二重構造の段ボール箱を使用して梱包します。
- 損傷や欠陥のある電池:膨張、腐食、漏れなどの欠陥があるリチウム電池は、DHLでは受託できません。
詳細なガイドラインや最新情報については、DHLの公式サイトをご確認ください。
FedExの対応
FedExでも、リチウムイオン電池を含む製品の輸送に関して、以下の点に注意が必要です。
- 電池の分類:リチウムイオン電池(充電式)とリチウムメタル電池(非充電式)で規制が異なります。
- 梱包とラベル表示:電池の種類や梱包方法に応じて、適切なラベル表示や書類の準備が必要です。
- 容量制限:リチウムイオン電池のワット時定格(Wh)が一定以上の場合、航空危険物として扱われ、特別な手続きが必要となります。
詳細な手続きや最新情報については、FedExの公式サイトをご確認ください。
注意点
- 国際規制の遵守:リチウムイオン電池の国際輸送は、国際航空運送協会(IATA)の危険物規則など、各種規制に従う必要があります。
- 事前確認:各クーリエ会社や配送先国によって、リチウムイオン電池の受け入れ条件や規制が異なる場合があります。発送前に各社のガイドラインや現地の規制を確認することをおすすめします。
リチウムイオン電池を含む製品の国際配送は、規制が厳しく、手続きが複雑な場合があります。
安全かつ確実な配送を行うために、各クーリエ会社の最新情報を確認し、適切な手続きを行ってください。
国際配送をスムーズに行うためのポイント
リチウムイオン電池を含む物品を安全に国際配送するには、以下のポイントを押さえておきましょう:
1. 購入前に配送可能か確認する
商品購入前に、配送業者の規定を確認してください。転送サービスを利用する場合も同様です。
2. 適切な梱包を徹底する
商品が損傷しないように、緩衝材を使用したしっかりとした梱包を行いましょう。
3. 規制に準拠したラベルを貼付する
必要なラベル表示や連絡先情報を必ず記載してください。
4. 専門業者の利用を検討する
リチウム電池を取り扱う専門の配送業者を利用することで、規制や梱包についてのサポートを受けられる場合があります。
まとめ
リチウムイオン電池を含む物品の国際配送は、各国や配送業者ごとに厳しい規制があります。
規制を無視すると、配送が拒否されるだけでなく、荷物が廃棄されるリスクもあります。
安全かつ確実に配送するために、事前の確認と適切な準備を徹底しましょう。